美希の冒険

 祐子を思う存分いたぶった、三枝と栗山はモニタールームで弘美の母親の誘拐の策を練っていた。

 栗山の信用の置ける人物に弘美の母親に関する調査は既に発注している。そのレポートは明日、辺りに届く予定になっていた。

 「今回はあなたと大野にお願いするわけですが宜しくお願いしますね」

 三枝は珍しく慇懃に頭を下げた。中年の人妻という獲物に三枝の気持は異様に昂っているのだ。

 「任して下さい。すべてうまくやりますよ」

 栗山はポンと胸を叩いた。

 そこへ、祐子に夕食を与えに行った由里と恵子が戻ってきた。

 「奥さん。苦しそうにして、食事も食べたがらないの」

 由里が困った顔をして訴えると三枝は苦笑いを浮かべて栗山を見た。

 「ちよっときつすぎたかな?」

 「僕の妻として耐えうるだけの肉体を作る修行ですから致し方ありません」

 栗山が事も無げに言って立ち上がろうとすると由里が素っ頓狂な声を上げて画面に見入っている。恵子もそれを見ておかしそうに笑いを堪えている。

 栗山は画面を見て驚きの声を上げた。

 留美を殴りつけたことで徹は再び後手錠に拘束されることになったのだがその身動きが取れぬ徹に美希が歩み寄り、周囲を窺いつつ、その男根をしごき始めているのだ。

 奥手の美希だけに栗山も三枝も信じられない光景をそこに見つけたような表情を浮かべている。

 「これは栗山さんの相手をしたことで美希が目覚めてしまいましたかな?」

 「しかし、これじゃ、示しが付きませんね」

 「いいでしょう。檻を新しく四つほど購入します。そのうちの一つに徹を収容する予定です。もちろん、祐子にも別の檻に入ってもらいます」

 「なるほど。美希ちゃんが悪戯できるのもあと少しですね」

 三枝は多くなってきた奴隷対策のために物置に檻を設置することにしていた。地上奴隷の数を減らし、地下に多くの奴隷を置くことにより彼女たちの競争意識を高めようと考えていたのだ。

 美希の手淫を受けている徹は満更でもないように目を閉ざしたまま身じろぎしない。自分が目を覚ますことによって由希がそれをやめてしまうことを懸念しているようだ。

 美希はそれを口に含むなど大胆な行動も取り始める。彼女は昼間、栗山にそんな行為を強制され、好奇心が目覚め、身動きの取れない徹を弄んでいるのだ。もちろん、地下室の中に起きているものはいない。彼女は一人の世界入り込み、徹の一物を健気に愛撫している。

 やがて、徹の欲望が排出されると美希は困った顔をして辺りを見回した。一日、一ロールと決まっているトイレットペーパーは既になくなっている。美希は始末に困り、ドクドクと溢れるそれに口をつけると飲み込み始める、

 それを見ていた一堂は大爆笑を起こした。

 「まあ、始末するものがないから飲んじゃうんだ」

 恵子がその行動を揶揄すると由里もおかしそうに笑いながら。

 「まるで歌みたいね」

 などと言って栗山たちを見るのだった。

 美希は徹の欲望を全て口に含むと自分の便器の中にそれを吐き出した。飲み込む勇気は美希には無いようだ。地下室は再び、静寂を取り戻した。

 「これからのご予定は?まだ、寝るには早すぎるでしょう」

 地下室の光景から興味を失った三枝が声を掛けると栗山は目を輝かせた。

 「良美の相手をお願いします」

 良美と聞いて、三枝は苦笑いを浮かべた。処女を失ったばかりの良美を弄ぼうとする栗山の悪党ぶりに舌を巻いた三枝であった。

 「あんたも悪党ですな。松井と塩野の可愛がられた良美をいたぶるんですか?」

 「ええ。いけませんか?」

 「実は私も女になった良美のお祝いを開こうと思いましてね。二人に事が済んだらアトリエに運ぶように言いつけて有るのです」

 「なるほど、では、その後は私にお引渡しいただけると言うことで」

 「はい。はい。判りました」

 二人の悪魔は声を揃えて笑うのであった。